とりあえずハイネを気に入った。「息あわせてばっちりいこうぜー」と低音で言うところも笑った。軍人としてはともかく、ああいう軽い性格は大好き!
あとレイは、アスランについて話したのは今回で2回目。前回はホテルに泊まれと薦め、今回は隊長と呼び出したのは自分たちから、と彼を庇っている。なにげにアスランを気に入っているの?それとも媚びてるの?レイのアスランに対する感情がわからん。議長と再会して以来、態度が変わった気がするし、何か言われたのではないだろうか。「アスランに気に入られて何とかAAの居場所をつきとめろ」とか何とか。
けれど私が気になったのはそんなことではなく。昨日のブログ、取り乱してしまった。反省。キラも可哀想な子よ、気付いたんだけど。←決して呪いを避けるためだけじゃないです。
製作者たちは「運命」をどうやって終わらせるつもりなのだろうか。そしてどんなメッセージを伝えるつもりなのだろうか。
私がひいきにしている海外ドラマに『the west wing』というアメリカの政治ドラマがある。邦題「ホワイトハウス」。
そのパート3の最終話、大統領はテロを企て、実際にその寸前まで行ったテロリスト集団の黒幕が、クマーという架空の国の国防大臣であることを突き止める。
アメリカは、彼を裁判にかけようとするが、様々な事情でそれは不可能。でも違法行為で集められた証拠では、彼が黒幕であることは間違いない。
「この世界に悪は存在する」
しかし暗殺は、善行ではない。
大統領は悩むが、最終的に暗殺にゴーサインを出す。この行為によって、アメリカが堕落するのではないかと恐れながら。それでも「あなたは大統領なのだから、決断しなければいけない」と説得されて、暗殺命令を出す。
この行為はアメリカという国にとっては正しいけれど、個人の道義で考えると正しくない。殺人だから、恐ろしい行為だ。実際、その暗殺作戦で黒幕だけでなくそのボディーガードも殺してしまっている。
どんなにきれい事を並べても、武力を使った時点で、正義は別の色を持つ。
一度、戦端が開かれれば、取り返しがつかなくなる。
どんなきれい事を言っても、100%正義の戦争なんてありえない。そして禍根を残す。
「戦争だったから仕方がない」とは、略奪された者には思えない。しかもその状態が続いている場合は、何らかの償いを求めるだろう。
だからテロが絶えない。パレスチナ人がイスラエル人に自爆テロを繰り返すのは、自分の人生に希望を抱けないから。それなら、一人でも多くのイスラエル人を道連れに自殺したいと、そう願ってしまうから。実際、そもそもの始まりは、自国を追い出されたことなのだから。
でも、ただそこにいただけで道連れに選ばれてしまった被害者の遺族は納得できるわけがない。政府はパレスチナを攻撃する。またパレスチナ人はテロを繰り返す。終わるわけがない。憎しみは連鎖する。
バルトフェルトが言ったように、相手を絶滅させない限りは、戦争は終わらない。
(実際、私たちはいまだに韓国人にこれだけ呪われているだけだし。そろそろ許して……くれないわね、こりゃ)
どんなにきれい事を口にしていても、どんなに「上官の命令で」とトダカ一佐のように言い訳を用意していても、どんなに「本当は闘いたくないけど、みんなを守らなければいけないから」とキラのように苦しんでいても、殺された側にそんな言い分は通じない。
もし本当に戦争を避けたいのなら、武器を手にしてはいけない。どんなに正義だったとしても、誰かが犠牲になった時点で、それは完全な正義ではなくなる。その人とその周囲が納得して死を選んでいない限りは。
どれだけ無力と批判されようとも、カガリは2年間、奔走を続けた。一度、武器を手にしたら取り返しのつかないことになるとわかっていたから。中立を卑怯と批判する声もあるだろうけれど、卑怯でも何でもいいから、戦争を避けることを選んでいた。
その結果は報われなくても、無駄に終わっても、それは結果論だ。ひょっとするとカガリたちの努力のおかげで、休戦が2年間、続いたのかもしれない。
人間にはそれぞれの欲望があり、事情がある。自然に任せていれば平和になるわけではない。誰もが妥協しないと、平和にならない。その妥協が偏っていれば、多く妥協を強いられているものが戦火を開く。
気が遠くなるような努力をしないと、忍耐を繰り返さないと、平和は続かない。誰もが本音を口にし始めたら即開戦になってしまう。
また場合によっては、自らの命を犠牲にしないと、平和は続かないかもしれない。いわゆる殉教が求められることがあるほど、平和とは困難な道だ。
理想論で平和は築けない。平和は政治でもたらされる。善意で平和は築けない。
あるいは平和など存在しないのかもしれない。単に休戦が続いているだけ。それならば、一日でも長く休戦が続いたほうがいい。
そう考えると、オーブは中立という不戦を選ぶために、カガリは自らの命を犠牲にしなければいけない日が来るのかもしれない。
もし本当に不戦を望むなら、ミリアリアのように武器をとらない戦い方を選ぶべきだった。キラは。
不戦の中に、防戦が含まれるかどうかが、私にはわからない。
ユニウス7に核を打ち込まれた場合、プラントは核を打ち返す代わりに武力を増強した。これはいけないことだろうか。核を打ち返さなかったことは、理性のたまものだと思う。そして武力の増強は、牽制になるだろう。
その牽制のためには、新型MSを作られてしまっては困る。だからザフトはイージスなどを強奪する必要があった。しかしそれによってへリオポリスが崩壊してしまう。
へリオポリスの人たちは「しょうがないね」とは思えないだろう。プラント側に言い分があったとしても。
となると、防戦を建前にしていても、攻撃に転じたら、その言い分は通じなくなるということではないだろうか。「平和のための闘い」が存在するとしたら、それは防衛の場合だけではないだろうか。
つまり、キラは武力を手にした時点で、戦争に参加してしまっている。しかも自ら進んで。
だからハイネが死ぬことになる。
私がキラを嫌うのは、彼が主人公だから。特に彼に恨みはない。
むしろ「強さだけが僕の全てじゃない」とクルーゼに言い返した時のキラは好きだった。
ただ「運命」が始まって、彼が安易に武力を手にしたことが気に入らなかった。
カガリの意志を確認もせず彼女を拉致。挙げ句に今回、ミネルバを撃った。
その前になぜ、彼は言葉を使わないのかと、腹が立った。SEED時代のラクスがしたきたように、なぜメッセージを発しようとはしないのかと、哀しかった。
今のキラの行動は「僕は強くて正しいから言葉は不要」と言っているようなもの。
だから、22話の「蒼天の剣」には激怒した。それが昨日のブログ。ああ、呪いが怖い。でも言いたい。「言葉を使え。理解してもらうための努力をしろ。でないとただのテロリストだ」と。
でもそれはキラが悪いわけじゃない。
単に演出の問題だろう。きっと省略されてしまったのよ。製作者たちは、「キラの行動は共感を得るだろうから特に言葉にしなくてもいいだろう」、と考えたのではないだろうか。
彼の22話の最後の登場の仕方で「相変わらず製作者たちに愛されているなあ、こいつ」と心底、ウンザリした。普通の物語なら、キラが正義の力を使って終わりだろう。不殺主義で戦って、その姿に感動したアスランか誰かが共鳴して、同じように不殺主義を貫き、みんな仲良し!となったかもしれない。実際、今回のキラの狙いは、戦力をそぐことでなしくずしの停戦だろうから。ここでハッピーエンドではないだろうか、場合によっては。
でも、残念ながら、そうはならない。
キラはハイネを殺してしまう。直接なのか間接なのかはわからないが、彼を死に追いやってしまう。シンの家族を殺してしまったように。
本当にむごいよ。あんなにカッコよく登場したのに、「でも君も間違ってるよ」と言われてしまうのだから。アスラン以上に誰も殺したくないだろうに。そしてアスランと違い、自分の行動は正しいと心底、信じているだろうに。
武力を使わずに平和を求めたカガリは、無力ゆえに何もできなかった。
そのカガリを見て力を求めたアスランは、軍という力を持ってしまったために、戦闘の流れに巻き込まれてしまっている。
そしてキラは、戦争を否定して不殺を貫いているのに、結局、誰かの死の原因となってしまう。
3人とも、思いとは裏腹に、悲しい結果になっている。
製作者は、キラをひいきしていなかった。むしろこれから彼に恐ろしい試練を与えようとしている。
言ってみれば、平和活動でパレードしているつもりなのに、それによって生じた渋滞で救急車が立ち往生し、病人が死んでしまったようなもの。そりゃ、ショックだ。悪気はなかっただけに。良いことをしているつもり、だけに。
キラは再び嘆き悲しむことになるのかもしれない。正直、可哀想。
結局、キラはフリーダムでラクスたちを守ろうとしたところまでは良かった。その後、カガリを見捨ててAAで逃げれば良かったのに、フリーダムで彼女を救ってしまったことで間違い始めた。どんなに正義でも、武力で攻撃に転じたら、それは戦闘行為なのだから。完全な不殺なんてありえない。結婚式の会場で、ユウナの母親あたりがショックで心臓麻痺で死ぬ可能性だったあったし。
アスランも、ザフトに戻って武器を手にしたことで道を間違えた。
カガリも、AAに残ってしまったことで間違えた。彼女はオーブに残り、彼女が信じる道を進むしかなかっただろう。ユウナと結婚することで少しでも国が良くなると信じているなら、結婚するしかなかった。
悩まないシンは幸せだ。揺らがないキラも、アスランよりは気分的に楽だろう。
でも武器を手にしていながら悩まない人は怖い。罪悪感を感じない人は怖すぎる。
だから、悩むしかないのだろう、本当は。
ハイネは「割り切れ」と言った。生き残るためには割り切るしかない。でも、本当にそれでいいのだろうか。
ミリアリアは、意志と理性で、憎しみの連鎖を断ち切った。トールのカタキを取ることができたのに、取らなかった。しかもフレイを止めてディアッカを庇ってみせた。
彼女の理性は、人並みはずれている。普通の少女に見えるけれど、ただものじゃない。アスランにもカガリにも、そしてキラにもできなかったことだ。
そして今、彼女は武器をとらずに、戦っている。
彼女が一番、安定しているのではないだろうか。私から見れば、平和のために一番、貢献しているのは彼女だと思う。少なくともキラよりは。
そしてミリアリアと同じことを、彼女以上の影響力をもってできるのがラクスなのに。自分より劣る男に惚れると、自分のレベルを下げてしまうということだろうか。キラに遠慮している場合かよ。
武器を手に平和を唱えても通じない。それはキラがハイネやシンの家族を殺してしまったことからもわかる。
かといって、武器を持たなければそれで平和になるわけでもない。
それならば、武器を手放すことができない国際情勢ならば、オーブのように専守防衛で行くしかない。自国の軍を、自国から出さないと、中立を貫くしかない。
戦争を避けるなら、それが唯一の道ではないだろうか。
一体、「運命」はどこへ向かうつもりだろうか。
キラの「不殺主義」まで結果的に否定したら、どうやって大円団に持ち込むつもり?
平和のための答えを、彼ら製作者は用意しているのだろうか。まさか本当に、「人類絶滅」で終わらせるつもりだろうか。
結局、総力戦で人がたくさん死に、「人がこれ以上、死ぬくらいなら」と停戦に持ち込むつもりなのだろうか。それなら、SEEDと全く同じこと。「運命」を始めた意味がない。
本当にどうするつもり?
ミゲルとニコル、挙げ句にハイネを殺されたアスランは、キラをどうするつもりだろうか。私なら、さすがに許せない。憎むだろう。ひょっとしたら、武器を手にとるかもしれない。
でもだからといってキラに憎しみをぶつけても、「憎しみの連鎖」だ。
シンには不満だろうけれど、理性で抑えるしかない。そしてアスランがキラに「もうしばらく海の底に引っ込んでろ!」と言えるわけもなく。なにげにキラのこと尊敬しちゃってるものなあ(T_T)。
これが平和な社会なら、業務上過失致死か何かで裁判に持ち込むことができるけれど、戦争中なら耐えるしかない。でなければ復讐に燃えて戦火を拡大させるしかない。みんなもやっていることだしね。2つに1つつ。
と、久しぶりに頭を使った後でなんだけど、今週は忙しい。アスランの下半身事情アンケートをまとめなければいけないし、ガンダムAが発売されて今後の展開がわかってしまうし、DVD2巻も発売されてアスランとカガリの最後のラブラブショットを拝めるし。
そして第23話! 怖いよ、本当に23話が。どうなるんだ。ミネルバもAAもトダカ一佐もファントムペインも、渡る世間は敵ばかり!
あと、昨日のブログとは手のひらを返したようにキラに寛大になっているのは、決して呪いが怖いからではありません。一応。ただ先週は本当につらかった……。
ていうか、もしキラがハイネを死に至らしめたことに何の良心の呵責を感じないのなら、あるいは自分のしたことに気付かなかったなら、その時はただじゃおかないけどね!キラも苦しむことになるから、という前提で同情しているんだから。「正義のために、ハイネの一人や二人」という姿勢だったら、暴れてやる!
「至急、この人の遺影を用意してください」アンケート←なんかこんな風にチャカしていていいのだろうか……。ちなみにアスラン2位浮上。私まで「いっそ死なせてやってくれ」と思い始めてきたぞ(T_T)
あまりに長くなったので、アスランの下半身アンケートの結果発表、ならびにコメント返しは明日以降に。see you again!