結果的にキラを支持してアスランを批判していますが、私はあくまでもアスランファンなのであしからず。
28話を見てから24時間後、しみじみ思う。
やはりキラとアスランは視点が違う。
キラはラクスとカガリを中心に身近な存在を守りたいというスタンス。
アスランは父親やユニウス7落下の責任、罪悪感を感じた結果、戦争を止めたいというスタンス。
キラがアスランに強かったのは、「カガリを泣かせるなんて!」という身内の怒りでしょう。家族としての。
家族を守ろうと必死な人には、勝てるわけがない。
だからアスランが負けるのは当然。そもそも彼、キラと戦うつもりなかったし。
キラは戦った結果、世界がどうなる、ということまでは考えていないと思う。あくまでもラクスとカガリを守りたいだけだし、世界を作るという仕事はラクスとカガリの仕事と割り切っているのかも。
その意味で、キラは彼女たちの騎士に徹している。分をわきまえている。餅は餅屋。キラは戦うことが得意だからその得意分野でカガリを守っているだけだろう。
一方のアスランは、たかだか18歳のくせして、世界を背負うつもりでいる。
父親の罪、ユニウス7の落下を、自分のせいと思っている。だから「何とかしなければ」と焦っているのだろう。
私はキラの守りたい対象が極端に狭いことについて、否定しない。むしろ支持する。
当然だと思う。アスランのほうがおかしい。
身内以外の何かを守ろうとして、例えば正義を守ろうとしたら、話がややこしくなるのだから。正義は一つじゃないからね。
ヤン・ウェンリーも言っていた。方程式はいくつもあると。
そういえばキラはラインハルトなのかも。身内を守るという私怨だから、敵をたたくのも容赦なし。一方のアスランは、ヤンのように悩んでばかり。そして敵を討ってしまう自分を自己嫌悪している。(でもヤンよりアスランは女にもてるけど。さらにいえば、ヤンより友達は少ない(T_T) ダメじゃん!)
アスランは最初、「カガリの役に立ちたい」とザフトに復隊した。SEEDの時のようにカガリ(オーブ)vs連合になった時に、MSがあれば便利だし。
ところがミネルバに合流すると、昔の自分を見るような危なっかしいシンと出会ってしまう。さらに自分と同じコーディネーターたちが、ユニウス7の落下阻止に命を賭けたミネルバがピンチになると、守備範囲をミネルバにも広げてしまった。
カガリとミネルバを守りたい。すでに相反する立場で矛盾してしまうのに。
挙げ句にコニーたちの存在を知って、地球連合に虐げられている人を守りたいとまで思ってしまって……。
アップアップです。
無理です。
なのに彼は本気で「何かしたい」と思っている。でも具体的にどうすればいいかわからない。だからとりあえず、目先の敵と戦っている。
結局、真面目すぎるのよ。
キラのように「だったら君を撃つ!」とあっさり親友を切り捨てることができるような強さがないから、八方美人だから、にっちもさっちもいかなくなる。考えてみれば、SEED時代から、キラはいつんだって真剣にアスランに向かっていた。守るために。アスランはニコルを殺されるまで、キラに本気になれなかった。
この差よね。
キルヒアイスに似ているかも。敵にも優しすぎる。大好きな姉弟を守りたくて軍人でいるあたりにも似ている。でもキルヒアイスはあの姉弟を守るためには冷酷にもなれる人だけど、アスランはその双子に刃向かっている。ダメじゃん。
そこまで悩むなら、AAと合流しとけよ。
なのにアスランはいろいろ背負いこんでいるから、行きたくても行けない。あるいは、「今は行けない」と思いこんでいる。
アスランはキラのように、自分のしたいことを、わがままに行動してもいいと思うけどね。結局、遠慮するから、カガリとの関係にユウナが入り込んできてしまう。
かといって、キラのようにそこまで自由に生きられても困るけど。
キラは自分で考えて行動している。なのに軍事力を使っている。オーブ軍の軍服を着ている。
例えば。
「これは命令なのだ。今の我が国の指導者、ユウナ・ロマ・セイランの。ならばそれが国の意思。なれば、我らオーブの軍人はそれに従うのが務め!その道、いかに違おうとも難くとも、我らそれだけは守らねばならぬ!」
馬場一尉のこの言葉に、軍人の生き様というか悲惨さを見た。
その点、AAの皆様は軍隊じゃないから、自由に考えて行動できるからいいよね〜。
ってわけあるかい!
あのですね。
たまたま、馬場一尉やトダカ一佐は、ユウナが間違っていると感じていたから、28話は美談として描かれている。
今、世界中で自爆テロを繰り返している人たち、ザルカウイ一派は自分の行動と理想に違和感を感じていると思う?
米軍の全員が「イラクで戦う意味があるの?」と思っていると思う?
かつてアジアで大暴れした日本人も、それが正しいと信じていた。
人間は意外と単純だ。自分が正しいと信じる。アスランじゃあるまいし、いつまでもウダウダと悩んだりはしない。
そんな人間たちが、それぞれ勝手に自分の信念に従って軍事力を使い始めたらどうよ。北斗の拳(古ッ!)のような世紀末状態の到来だ。
だから銀英伝のヤン・ウェンリーも民主主義世界に生きているから、政府の愚行に従い続けた。愚行とわかっていても。
軍隊は、政府に従うという条件があるから、軍事力を持つことが許される。もっと言えば、人を殺すことが許される。軍人は戦闘で人の命を奪っても「命令だから」と自分を許すことができる。じゃなければ、ただの殺人行為だ。犯罪だ。
だから、くどいいけれど、私はAAを批判する。
まず、オーブの軍服を着るな。自由に行動したいなら、軍服を着てはいけない。軍人じゃないなら、軍服は着るな。
ところが。
AAには素晴らしい大義名分が用意されていた。
カガリが政府だから、軍隊として行動しても許されてしまうのだ。
カガリがいる以上、彼らは「正規のオーブ軍」というわけである。だから軍服を着ている。更に軍事力を使っても許されてしまう。
至れり尽くせり。
つまり、キラは正しい。私の言い分は通じない。
だから私はムカつくのだと思う。彼の言動の全てに大義名分が許されているから。
キラは正しいと、あくまでも演出されているから。
一方のアスランはどうよ(T_T)。
「ミネルバに沈めというのか」って、SEEDの頃に逆戻りの論法じゃん。「撃たれたから打ち返し、それで最後は平和になるのかよ」です。
とはいえ……。とはいえ、なのですよ!
製作者の皆様がキラを守ろうとすればするほど、主役嫌いの私はアスランやシン、つまりミネルバサイドに傾く。
だって、キラだけが正しいわけではない。正義は一つじゃない。そもそも正義に基づいて力をふるうことに私は抵抗がある。その正義という力は曖昧だから。主観的だから。繰り返すけれど、それぞれが自分の判断で自分の「正義」に基づいて軍事力を使うと、世界は崩壊する。
組織は内側から変わらなければならない。組織を作るのは人間だから。外部から無理矢理、力づくで変えようとしても、名前や外郭は変わっても中身が変わらない。
だからこそ、ラクスはフリーダムやエターナルを手に入れていても、プラントにとどまり続けて、メッセージを送った。命懸けで。
彼女の言葉に市民が応えて、市民がデモなどの行動を起こしてくれるのが一番、良かったから。その夢は叶わなかったけれど。
あるいはアスランが父親に会いに行くという無茶な行動を起こさなければ、彼女はまだプラントに居続けることができたのかも。
となると、アスランはますます罪深い男だ(T_T)。
やることなすこと、空回り。
やはりキラはカガリを結婚式から連れ去った後、彼女をオーブに戻すべきだった。そしてかつてのラクスのように、地下に潜ってオーブ市民にメッセージを送り続けるべきだった。もちろんそれは簡単なことではない。
でも、本当に正しいと信じているなら、カガリはひとりひとりを説得する行動を起こすべきだった。少なくとも他の誰かよりは、カガリにはできるはず。
でも、彼女はオーブに戻らなかった。外から、フリーダムに守られて安全なところから、メッセージを送ってもね〜。いまいちハートに響かない。
もしオーブに戻ったら。彼女は殺されたかもしれない。でもそうすればアスはの信念、オーブの理念は彼女の命によって、永遠になったかもしれない。彼女の人生は終わっても、彼女は本望だったのではないだろうか。なんといってもオーブのためにあのユウナと結婚しようとした人だから。
ついでにいうと。
SEDDの製作者はトダカの死を美しく描いたつもりかもしれないけれど。大人の私から見れば、あざとすぎ!
カガリが言っていたように「逃げるな、生きるほうが闘いだ」です。
カガリの父親と同様、安易に死を選びすぎ。そんな必要、あった?
逆に、アウルの死に方のほうが壮絶だった。彼こそ、戦争の被害者だ。この闘いの被害者。
結局、軍人はカッコ良く死ねるけど、アウルのような何もわかっていない子供は何もわからないまま死んでいくと。ある意味、現実に近い。
他の方のブログを拝読すると「アウルの最期にもっと見せ場を」という意見も多かったけれど。でも戦争だもの。どんなに可愛くても、どんなに不幸な生い立ちでも、あっさり殺されちゃうのよ。虫けらのように。それが戦争。
逆に、トダカ一佐のように、あるいはアスランのように、自分が死ねば世界は救われると安易に考える人が、戦争を盛り上げてしまう。彼らは、自分の信念に命を賭ける価値があると本気で信じてしまっている人だと思う。だから戦えてしまう。
そういう人たちは美しいけれど、危うい。
自爆テロをやってしまう人だと思う。
怖い。
人間だもの。話し合おうよ。命を投げ出さずに。
で、キラは放っておいても幸せだろうから置いておくとして。
問題はアスラン。
彼はこれからどうすればいいの?
彼は今、混乱している。
28話だって、キラと喧嘩している暇はなかった。キラがミネルバに手を出さないことはわかっているのだし、オーブに手を手を出さない限りはミネルバも無事なことを、タリアに伝えるべきだったんじゃないの?
更に言えば、カガリを撃とうとしたシンを、止めるべきだったんじゃない?カガリをシンから守ろうとしたキラを止めようとしてどうする。そりゃ、キラ、怒るよ。だから容赦なくダルマにされてしまった。
もう、何をどうしたらいいか、わからなくなっているのだろう。
それがアスラン。
とはいえ、見ているこちらも、アスランがどうすべきなのか、ハツカネズミ状態。AAに合流したって意味がない。(そもそも私は許さん!)
ひとつ可能性があるとすれば。
今、ミネルバは救世主として扱われている。だったら、そのミネルバに乗り続け、コーディネーターとしてナチュラルに理解されるよう歩み寄るのはどうだろうか。戦争を止めるのは、戦力ではない。相互理解だ。相手も同じ人間だと、相手にも感情があり、相手にも守るものがあるとわかれば、戦うことなんてできないはず。相手の命を奪えないはず。
だから、ミネルバがコーディネーターの代表として、ナチュラルに迎えられる存在になればいいと思う。実際、連合よりは人気者だし。
キラたちはオーブのためにこれからも戦うだろう。
それならアスランは、コーディネーターとナチュラルの相互理解のために戦うべきなのではないだろうか。
問題はその相互理解のために、何をすればいいかということだけど。連合の圧制下に置かれているナチュラルを解放するというこれまでの戦い方でいいのだろうか。オーブさえからまなければ、AAもしゃしゃり出てこないし。
アスランはカガリと結ばれるためにも、コーディとナチュラルを和解させなければいけない。そのための道を見つけるしかないだろう。
一方のキラたちはオーブを守るために。
それでいいんじゃないの? 道は違うようだけど、行き着く先は同じだ。
要は、オーブがからんできたら、ミネルバはとっとと逃げろっちゅーこと。
けど、相互理解の方法が戦争というのも変な話だけど。まあ、戦争ではなく解放戦争と思えばいいのだろうか。それにしたってなんか理不尽なものを感じる。
とにかく、一応、ミネルバは主人公サイドだ。そのはず。だから、AAだけが正しいわけではない。たぶん。
だから、タリアたちがどんな道を見つけるのか。それが興味深い。というより、期待したい。頼むよ、本当に。
アスランも言っていた。「思いは同じ」だと。
たぶん、方法は違うけれど、ミネルバとAAは同じゴールに向かっている。ただミネルバはオーブに手を出してしまったからAAの逆鱗に触れてしまった。それが今回の28話だったのではないだろうか。
しかし連合は救いがないなあ(T_T)。まともな人間はいないの? ハリウッド映画じゃないんだから、全員が真っ黒である必要はない。トダカや馬場のように、不満に思っている人もいるはずなのだから。
それにしてもキラファンがうらやましい。見ていて安心だろうなあ。だって演出で守られているもの。それに比べてアスランは(T_T)。
アスラン、どこへ行くアスラン。
お姉さんは疲れてきたよ。いっそ、キラのようにスッパリと切ることができたなら(T_T)。
なんでキラのファンにならなかったんだろう。ビジュアルはキラのほうが好きなんだから、素直にキラのファンになっておけば。ルナマリアがアスランに無駄な好意を抱いているのと同じくらい、報われない。
結局、脇役が好きなのよね。製作者に大事にされていない人が好きなのよ。不遇の人を応援したくなるのよ。
だからアスランファンになってしまった。失敗した……(T_T)。
とにかく、28話について抗議するべき点があるとしたら。
キラ……アスランに向かって言うべきセリフは「カガリを守るのはアスランの役目だろ。でもアスランがあくまでもカガリを守ろうとしないなら、僕が代わりに守る。その際、君、邪魔だから落としちゃいます」だったのでは?君は言葉が回りくどくてわかりにくい!
アスラン……何はともあれ、カガリを思い出せ。キラは置いておいていいから!その最強の男と戦っている暇があったら、カガリを守れ。それがダメなら、キラにカガリを預けて、連合に集中しろ! キラと戦うこと、話し合っていることは、時間の無駄。今、君がすべきことはミネルバを守ること、あるいは連合をたたくこと。だってAAはオーブに手を出さない限りミネルバを攻撃しないのだから。それを君はよーくわかっているはずなのだから! キラからは離れろ!! キラがからむと君はろくな目にあわない!!
マリュー……頼むからタリアと話し合う努力をしてください。タリアはあなたを知らないけれど、あなたはタリアを知っているのだから!
タリア……もしよろしければAAに「何を考えてるの?」と問いかけてください。マリューが通信に出てくれれば、無駄な闘いはしなくてすみます。
カガリ……オーブに戻りなさい。かつてのラクスのように、内側から行動を起こしなさい。和平条約違反のフリーダムに守られて偉そうなことを言っても、聞いてもらえるわけがありません。言っていることは間違ってないんだから、後は方法です。少しは頭を使え!押してダメなら引いてみろ!
シン……ちょっとは悩め!
トダカ&馬場……あなた方の死に方は、自爆テロに似ている。自己満足です。「生きるほうが闘いだ!」です。
ユウナ……お願い、いい人にならないでね。アスランの存在価値がなくなるから。
スティング……本気であなたのことが心配です
ラクス……あなただけが頼りです(T_T)
そして最後にアウル……生きてるよね?ね?ね? だってフラガや虎が生きていたんだよ? 君なら絶対に生きている。お姉さんは信じているからね!
とにかく、30話からのアスランが心配です。
まさかグレないでしょうね?「俺の甘さが……」って、キラに憎悪をたぎらせちゃったら……私はともかくカガリに見捨てられますので要注意!
アスランのプライベートに迫るアンケート
Quiz
コメントはこちらまでお願いします。一緒にアスランの迷走を見守りましょう。コイツ、目を離すと何をしでかすかわかりません!でも不甲斐ないところがカワイイのよーーー(T_T)
ところで、公式サイトを見てびっくり。
msの名前が変わってるじゃん!
スーフリじゃなくなったの? あんまりだわ、唯一キラに勝てる点だったのに。
「ストライクフリーダム」って、どう訳せばいいの? ど真ん中の自由? 単語並べただけじゃん!
「インフィニットジャスティス」は無限の正義? わからん。こちらはナイトジャスティスのほうがいいと思う。
ていうか、MSのネーミングセンスなさすぎ! この際、イージスジャスティスは? 意味不明だけど。
セイバーっていい名前だしカッコ良かったのに。本当にアスランはMSを大切にしないんだから!(>_<) 新しいジャスティス改、変形してくれたらいいのにな〜。
それにしてもセイバーは逃げ回っていた印象しかなかった。プラモデル、大丈夫なのかしら。